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友だちというものは
無駄な時をともについやすものなのだ。 佐野洋子[さの・ようこ]
(作家、エッセイスト、絵本作家、1938〜2010) 『友だちは無駄である』
〈全文〉
考えてみれば、 友だちというものは 無駄な時をともについやすものなのだ。 何もしゃべることなぞなく、 ただ石段にすわって、 風に吹かれて何時間もボーッとしたことのある友だち。 失恋した友だちに ただふとんをかぶせる事以外何も出来なかった日。 中身が泣いているふとんのそばで、 わたしはかつおぶしをかいていた。
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