成功の展開が機会志向の体質をつくりだす。
組織も伸びる。 ピーター・ドラッカー
[ピーター・F・ドラッカー] (20世紀オーストリア出身の経営学者、社会学者、1909〜2005) 【 ピーター・ドラッカーの名言 】
機会志向(opportunity-oriented)とは、機会があればどんどん挑戦しようという考え方です。
ベンチャー企業や成長している企業はみな「機会志向」です。 「機会志向」という積極性が、企業や組織の目覚しい成長の原動力になります。 また、成長・発展という「成功」を繰り返すことで、組織の「機会志向」はますます強くなり、「成功の好循環」が生まれます。 ■ところで、「成功」することによって「機会志向」は確かに強まりますが、「機会志向」なくしては「成功」はあり得ません。 だからまずは、「機会志向」を持つことが大切です。 そして「成功」しても、それに安住することなく、「機会志向」で新しいチャンスを探し続ける。 こうして、「成功」を繰り返すうちに、「機会志向」が組織の「習慣」になり「体質」になるのです。 そうなったら、しめたもの。 「機会志向」が「体質」になるまでが大変なのです。 ■一方、資源志向(resource-oriented)という考え方もあります。 「資源志向」とは、手持ちの資源(リソース)、つまり人・物・金・時間といった「条件」が整えば挑戦しようという考え方です。 また、現在手持ちの資源で可能な分野に挑戦しようという考え方です。 ■「資源志向」は、一見すると非常に合理的で安全な考え方のように思えます。 「確実性」を高め、「失敗のリスク」を下げるという点では、効果があるかもしれません。 しかし、変化と競争の激しい現代社会では、その合理主義・安全主義が逆に足かせとなります。 「条件」が整うのを待っていたら、「ビジネスチャンス(機会)」を逃してしまうからです。 「機会を逃すこと」が「現代の新しいリスク」なのです。 たとえ大企業でも、「資源志向」の企業は、みな成長が止まったり、衰退していきます。 ■また、「手持ちの資源でできること」を探そうにも、「できること」は限られてしまいます。 「アイデアのスケール」小さくなると、斬新で画期的なアイデアも出にくくなります。 企業の成功は「アイデア」による所が大きいということを忘れてはいけません。 ■「資源」というものは、努力・工夫さえすれば案外何とかなるものです。 しかし、「機会」は努力・工夫でどうにかなるものではありません。 突然、前触れも無くやってきて、あっという間に去っていきます。 いくら「資源」が潤沢にあっても、「機会」を逃したら何にもなりません。 「機会」を見つけたら、「資源が足りない」とあきらめるのではなく、「どうしたらできるか」を考えることが大切なのです。 ■「機会」が訪れたらそれを逃さずに挑戦しようという「機会志向」は、企業だけでなく、人の生き方についても言えることです。 ■皆さんは、何かに挑戦しない理由を「金が無いから」「時間が無いから」「才能が無いから」と言い訳をしていませんか? 「資源志向」の生き方をしていると、大切な機会を逃してしまいます。 もしかしたら、その「機会」は二度とやって来ないかもしれません。 「資源」は誰かから買ったり借りたりすることができますが、「機会」を買ったり借りたりすることはできません。 「資源」なんかよりも「機会」の方がずっと貴重で大切なのです。
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