来た依頼を上手に断るためには「K・K・K」の法則があります。
断るときの手紙は3つの文章ですむという簡単な法則で、「キス・キック・キス」です。 中谷彰宏[なかたに・あきひろ]
(著述家・プランナー、1959〜) 『大人のスピード説得術』 【 中谷彰宏の名言 】
《 文章の書き方 》
人からの頼みを上手に断れないで困っている人は多いのではないでしょうか?
断りたいけど、断ったら人間関係にヒビが入るかもしれない、どうしようと頭を抱えたことありませんか? はっきりと断れず、引き受けた・引き受けてないという水掛け論になったり、結局引き受けてしまって、ひどい目にあうこともあるでしょう。 ここで紹介する3Kの法則は、文章だけでなく、会話にも応用できる便利なテクニックです。 ぜひマスターしましょう。 ■「キス・キック・キス」のうち、1つ目の「キス」は、依頼を持ちかけてくれたことに対する感謝を意味します。 つまり、「依頼を持ちかけてくれてありがとう」というような、感謝の気持ちを込めた言葉を書く(言う)のです。 最初に感謝されたら、誰でも悪い気はしないものです。 ■2つ目の「キック」は、断りの言葉です。 「残念ながら、お受けすることはできません」と、はっきりと断る意思を示すことが大切です。 ここで、あいまいな表現をしてごまかしてしまえば、相手に、もしかしたら引き受けてくれるかもしれないという淡い期待を持たせてしまいます。 それが、あとでこじれる原因となるのです。 だから、はっきり断る。 ■3つ目の「キス」は、フォローを意味します。 「せっかく私を頼ってくれたのに、期待に沿えず申し訳ない。 これに懲りず、何かあったらまた連絡して欲しい。 力になれることがあるかもしれないから」という趣旨のことを書く(言う)とよいでしょう。 ■この最後のフォローが特に重要です。 なぜなら、フォローが無ければ、断ったところで終わってしまうので、相手は気分を害してしまいます。 そのまま関係が途切れてしまう可能性は大いにあります。 しかし、フォローがあると、この人は自分に対して気にかけてくれているんだと思い、逆に感激するものです。 依頼を断ったにも関わらず、かえってつながりを強めることにもなるので、3Kの法則はとても上手な断り方だと言えるでしょう。 ■このように、3Kの法則の特徴は、ハンバーガー構造にあります。 中の肉(断り)を上下のバンズ(感謝とフォロー)で挟むことによって、全体の食感とイメージが柔らかくなるのです。 おやつでハンバーグだけ出されたら、味がしつこくて、とても食べる気がしません。 しかし、ハンバーガーとして出されたら、多少食欲が無くても食べてしまうもの。 ハンバーガー恐るべしです。 ■人同士の関係を構築するのは、時間も手間もかかるものです。 そして、一度断ち切ってしまうとなかなか元には戻りません。 人間関係は、どこでどう役立つか分かりません。 ちょっとした工夫で、大事な人間関係を保つことができるのなら、使わない手はないのです。
(七瀬音弥:ななせおとや)
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