名言ナビ



[ 名言 ]
男のひとは、
口では何のかのと、
立派そうな事を言っていながら、
実のところはね、
可愛い奥さんの思惑ばかりを気にして、
生きているものなのです。
立身も、成功も、勝利も、
みんな可愛い奥さんひとりを喜ばせたい心からです。
いろんな理窟(りくつ)をつけて、
努力して居(お)りますが、
なに、可愛い女に、ほめられたいばかりなのです。
だらしの無い話ですね。
可哀想なくらいです。

[ 出典 ]
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948)
『新ハムレット』
王妃がオフィーリアに言ったセリフ

ページ内メニュー

[ 関連キーワード ]

[ テーマ別名言 ]

[ テーマ別今日の名言 ]

[ 全文・続き ]
〈全文〉
男のひとは、
口では何のかのと、
立派そうな事を言っていながら、
実のところはね、
可愛い奥さんの思惑ばかりを気にして、
生きているものなのです。
立身も、成功も、勝利も、
みんな可愛い奥さんひとりを喜ばせたい心からです。
いろんな理窟(りくつ)をつけて、
努力して居りますが、
なに、可愛い女に、ほめられたいばかりなのです。
だらしの無い話ですね。
可哀想なくらいです。
__ Link __

私は此の頃それに気がついて、びっくりしました。
いいえ、がっかりしました。
私は、男の世界を尊敬してまいりました。
私たちには、とてもわからぬ高い、くるしい理想の中に住んでいるものとばかり思っていました。
及ばずながら、私たちは、その背後で、
せめて身のまわりのお世話でもしてあげて、
わずかなお手伝いをしたいと念じていたのですが、
ばかばかしい、
その背後のお手伝いの女こそ、
男のひとたちの生きる唯一(ゆいいつ)の目当(めあて)だったとは、
まるで笑い話ですね。
背後からそっとマントを着せてあげようとすると、
くるりとこちらを向いてしまうのですから、
まごついてしまいます。

理想だの哲学だの苦悩だのと、
わけのわからんような事を言って、
ずいぶん空(そら)の高いところを眺(なが)めているような恰好(かっこう)をしていますが、
なに、実は女の思惑ばかりを気にしているのです。
ほめられたい、好かれたいばかりの身振りです。
__ Link __

私には此の頃、男がくだらなく見えて仕様がありません。


[ ランダム名言 ]
1.

2.

3.

4.
( 小田晋 )


5.

6.

7.

8.

9.

10.