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十年一日の如(ごと)き、不変の政治思想などは迷夢に過ぎない。

[ 出典 ]
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948)
『パンドラの匣』
越後獅子のセリフ

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〈全文〉
むかし支那(しな)に、ひとりの自由思想家があって、時の政権に反対して憤然、山奥へ隠れた。
時われに利あらずというわけだ。
そうして彼は、それを自身の敗北だとは気がつかなかった。
彼には一ふりの名刀がある。
時(とき)来(きた)らば、この名刀でもって政敵を刺さん、とかなりの自信さえ持って山に隠れていた。
十年経(た)って、世の中が変った。
時来れりと山から降りて、人々に彼の自由思想を説いたが、それはもう陳腐な便乗思想だけのものでしか無かった。
彼は最後に名刀を抜いて民衆に自身の意気を示さんとした。
かなしい哉(かな)、すでに錆(さ)びていたという話がある。
十年一日の如(ごと)き、不変の政治思想などは迷夢に過ぎないという意味だ。


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