己は飢というものが、 己の中に生きている 別の生きものであることを 知っている。 渇きというものも知っている。 それは覚えたというのとは まるで別だ。 それは己が生きた時から 己の中に住んでいたのだ。
福永武彦[ふくなが・たけひこ] (大正〜昭和の小説家・詩人、1918〜1979) 「深淵」 『夜の三部作』に収載
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