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その夢の可能性をみじんも信じていないからこそ、そのような夢想をやすやすと言えるのであって、かえってそれをあわてて否定するほうが、もしや、という期待を持って、そうしてあわてて否定している。
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948) 『フォスフォレッスセンス』 〈全文〉
「まあ、綺麗(きれい)。 お前、そのまま王子様のところへでもお嫁に行けるよ。」 「あら、お母さん、それは夢よ。」 この二人の会話に於(お)いて、一体どちらが夢想家で、どちらが現実家なのであろうか。 母は、言葉の上ではまるで夢想家のようなあんばいだし、娘はその夢想を破るような所謂(いわゆる)現実家みたいなことを言っている。 しかし、母は実際のところは、その夢の可能性をみじんも信じていないからこそ、そのような夢想をやすやすと言えるのであって、かえってそれをあわてて否定する娘のほうが、もしや、という期待を持って、そうしてあわてて否定しているもののように思われる。 世の現実家、夢想家の区別も、このように錯雑しているものの如(ごと)くに、此頃(このごろ)、私には思われてならぬ。
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( 山口青邨 )
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( 映画『チャンプ』 )
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( クラウディア・カルディナーレ )
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( 田中千禾夫 )
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