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だれも他人の死の重さをはかることは出来ないのだ。
寺山修司[てらやま・しゅうじ]
(劇作家・詩人・歌人、1935〜1983) 『人生処方詩集』 〈全文〉
私の同級生のうち、自殺したものは二人しかいなかった。 その中の一人は連絡船から津軽海峡にとびこみ、一週間後に打ち上げられた。 私は、その女子高生の友人の、水にさらされた遺体に手でふれてみた。 手応えはあった。 しかし、私がふれたのは死そのものではなくて、ただの死体でしかなかったのである。 私はそのときに感じた。 「だれも他人の死の重さをはかることは出来ないのだ」と。
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