一段上の夢を着実にこなしていっただけです。
松下幸之助[まつした・こうのすけ]
(松下電器産業創業者、1894〜1989) 【 松下幸之助の名言 】
〈全文〉
私は小さい頃貧しかったので、最初は腹一杯食べたい夢でした。 丁稚奉公にいってからは、貯金して早く店を持ちたいと思いました。 商売をはじめても、大きな会社など望みませんでした。 一段上の夢を着実にこなしていっただけです。 どんなに有名な音楽家も芸術家も、最初は初心者からスタートしました。
どんなに大きな会社も、最初は小さなオフィス・工場からスタートしました。 結局、どんな大きな夢も、最初は小さな所から始めるものです。 目の前にそびえる長く高い階段を、登っていくしかないのです。 ■勢いのある人や会社は、1段、2段を飛ばして駆け上がっていきます。 しかし、それには段を飛ばすだけの体力が必要です。 もし、体力の無い者が段を飛ばして上ろうとすると、階段を踏み外して転がり落ちていくでしょう。 ■世の中には、成功できず消えていく人や会社がたくさんあります。 成功できなかったのは、たいてい、自分の体力の無さをかえりみず、無理に段を飛ばして階段を駆け上がろうとしたからです。 もしくは、自信過剰になっていて、自分の体力を見誤っていたのです。 ■段飛ばしに失敗すると、体勢を立て直せず、階段から転げ落ちて大怪我をします。 一方、一歩一歩階段を上っていくなら、たとえ階段を踏み外したとしても、何とか体勢を立て直せます。 せいぜいすりむく程度で、大怪我はしないでしょう。 そして、そこから再び上り続けることができます。 ■早く成功したいという気持ちはよく分かります。 誰だって、早く成功したい。 しかし、もし階段を踏み外して、転げ落ちてしまったら元も子もないのです。 はやる気持ちを抑えて、一歩一歩着実に階段を上ることが大切です。 ■あなたを、すごい勢いで段飛ばしで追い抜いていく人がいるかもしれません。 それにつられて、段飛ばしをしようなどと考えてはいけません。 その人は、よほど体力があるのか、もしくは、単なる無謀な人なのです。 急ぐ必要はありません。 ゆっくりでも階段を一歩一歩上って行けば、誰だって、いつか必ず高い場所にたどり着けるのですから。
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