人生には処方箋もなければ注意書きもない。
我々に裸のまま与えられるものなのだ。 フェルナンド・サバテール
(スペインの哲学者、1947〜) 医者にかかると、たいてい「処方箋」というものをもらえます。
「処方箋」には、その病気や怪我の治療に効果があるクスリの名前と用法・用量などが書かれていて、そのクスリを処方薬局や病院で購入します。 私たちは普段、当たり前のことのように、この「処方箋」のお世話になっていますが、医療において非常に大切な役目を持っています。 もし「処方箋」の内容に間違いがあったりしたら、服用した人に大きな健康被害をもたらすからです。 ■同じように、もし人生にも「処方箋」があったら、どんなに便利でしょう? 困難にぶつかったとき、こうすれば乗り越えられる。 辛いときや悲しいときには、こうすれば立ち直れる。 好きな人の気を引きたいときは、こうすれば振り向かせられる。 そんな「人生の処方箋」があれば、何も迷ったり苦しんだりする必要もないでしょう。 ■また、薬局などで大衆薬を購入すると、必ず「注意書き」がついてきます。 「注意書き」には、用法・用量や、絶対にしてはいけない服用の仕方、服用してはいけない人、副作用などが書かれています。 もし、「注意書き」に反する服用をしたら大変なことになるので、「注意書き」は必ず最初に読まなければなりません。 このように「注意書き」があることで、間違った服用の仕方を防ぐことができるのです。 ■同様に、もし人生に「注意書き」があったら、どんなに便利でしょう? これこれこういう場合には、絶対にこういうことをしていはいけない。 前もって、それが分かっていれば、絶対にしないはずです。 そうすれば、人生で起こる諸問題についてはも、最悪の事態だけは避けることができます。 人生をより安全に渡っていくことができるのです。 ■しかし、残念なことに、人生には「処方箋」も「注意書き」もありません。 より正確に言えば、「処方箋」や「注意書き」を自分で作っていかなければならないのです。 しかも、困難や悲しみ、苦しみを自分で経験しながら、作るしかないから大変です。 ■もちろん、他人の「処方箋」や「注意書き」も、多少は参考になるでしょう。 だから、人は他人の書いた本や文章を読んだり、講演を聴いたり、他人に相談したりして、「用法」「用量」や「禁忌(してはいけないこと)」「副作用」「服用してはいけない人」などの知識を得ようとするのです。 ■それでも、いざ自分に当てはめようとすると、しっくりいかなかったり、うまくいかなかったする場合が多いのが現実です。 そして、それは当然のことなのです。 ■人間の体は人それぞれ体質が違うので、体質に応じてクスリも変えなければなりません。 同じ症状でもAさんに効く薬がBさんに効くとは限らないのです。 そして、時には、副作用すら起こすこともあるので、安易な「診断」や「処方」は禁物なのです。 ■全く同じことが、「人生」「生き方」についても言えます。 他人のノウハウは、所詮他人のノウハウに過ぎません。 個人個人に当てはめる時には、その人の「体質」に合わせて調整しなければならないのです。 そうしないと、効果が無いどころではなく、副作用が起きてしまうでしょう。 ■人は、「人生の名医」を他人に求めることはできません。 自分が「自分の人生の名医」になるしかないのです。 他人は、アドバイスや情報を与えてくれる存在に過ぎません。 それらのアドバイスや情報は、重要なものではあったとしても、絶対的に正しいものとは限りません。 一面的な視点の場合も多いからです。 ■また、誰もが最初は「人生の研修医」です。 自分で「自分の病気」を治療しながら、腕を磨いていくしかないのです。 何度も試行錯誤していくうちに、次第に「自分の体」「自分の体質」が分かってきます。 そして、「自分だけの人生の名医」に育っていくのです。 ■「自分の人生の名医」になれるかどうかは、すべて本人の努力と工夫にかかっています。 人生に役立つ知識や技術を学ぼうとする姿勢、過去の経験から学ぼうとする姿勢、現在の問題に真正面から真剣に取り組もうとする姿勢。 これらがなければ、「自分の人生の名医」への道は決して開かれません。 ■一方、適当に人生をやり過ごして、腕を磨かないでいると、「リピーター医師」となって、何度でも「診察ミス」「処方ミス」「治療ミス」「手術ミス」を繰り返すことになります。 人生で同じような間違いを繰り返しているのは、「リピーター医師」である証拠です。 そして、「人生のリピーター医師」になって困るのは、もちろん「自分自身」なのです。
(七瀬音弥:ななせおとや)
1.
( 遠藤周作 )
2.
( 後藤比奈夫 )
3.
( ディミトリー・メレシュコフスキー )
4.
( 本田宗一郎 )
5.
( フランシス・ベーコン )
6.
( 衣笠祥雄 )
7.
( カルロス・ゴーン )
8.
( フランシス・ベーコン )
9.
( テオフィル・ゴーティエ )
10.
( マザー・テレサ )
11.
( オリバー・ウェンデル・ホームズ )
12.
( 中谷彰宏 )
13.
周りの人すべてに支えられて、いまの自分があるというふうに感謝をして毎日を過ごす人間と、「これは俺がやったから、これくらいの成功は当然だ」と傲慢に開き直る人間とでは、どれだけ将来の差が出てくるだろうか。
( 本田健 )
14.
( 正岡子規 )
15.
( ヴィトゲンシュタイン )
16.
( ココ・シャネル )
17.
( 野村克也 )
18.
( 小出義雄 )
19.
( 有島武郎 )
20.
( 高橋俊一 )
21.
( アート・ブレイキー )
22.
( エラ・ウィーラー・ウィルコックス )
23.
( 森下洋子 )
24.
( テレビドラマ『ショムニ』 )
25.
( スペインのことわざ・格言 )
26.
( 今井千鶴子 )
27.
( ハーバート・スペンサー )
28.
( フレディ・マーキュリー )
29.
( ウィンストン・チャーチル )
30.
( 玄侑宗久 )
31.
( 稲盛和夫 )
32.
( ゲーテ )
33.
( ジョセフ・マーフィー )
34.
( プルタルコス[プルターク] )
35.
( 高橋玄洋 )
36.
( トルストイ )
【 中山庸子 】
【 ルイス・マンフォード 】 【 織田裕二 】 【 漫画『P2!』 】 【 ゾラ・ニール・ハーストン 】 【 宮本常一 】 【 アンリ・ベルクソン 】 【 ヴィトゲンシュタイン 】 【 フィリップ・シドニー 】 【 ケインズ 】 【 山上憶良 】 【 ジョン・ラッセル 】 【 オルテガ 】 【 高橋滋 】 【 メグ・ライアン 】 【 古舘伊知郎 】 【 リチャード・C・トレンチ 】 【 プロペルティウス 】 【 宗次徳二 】 【 国民の代表 】
【 妻子 】 【 おせっかいを焼くことのメリット 】 【 過不足 】 【 止まらない 】 【 だまされることは罪 】 【 話の持っていき方次第 】 【 この世は悩ましいものではない 】 【 王女の品格 】 【 働いて生きていく 】 【 抵抗するのは間違い 】 【 若葉 】 【 時宜にかなったことを言う 】 【 基本的なモラル 】 ![]() |