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作家は、例外なしに実にくだらない人間なのだ。
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948) 『風の便り』 井原退蔵が木戸一郎にあてた手紙より ※作家=小説家
《 文章の書き方 》
〈全文〉
君は作品の誠実を、人間の誠実と置き換えようとしています。 作家で無くともいいから、誠実な人間でありたい。 これはたいへん立派な言葉のように聞えますが、実は狡猾な醜悪な打算に満ち満ちている遁辞(とんじ)です。 君はいったい、いまさら自分が誠実な人間になれると思っているのですか。 誠実な人間とは、どんな人間だか知っていますか。 おのれを愛するが如く他の者を愛する事の出来る人だけが誠実なのです。 __ Link __ 君には、それが出来ますか。 いい加減の事は言わないでもらいたい。 君は、いつも自分の事ばかりを考えています。 自分と、それから家族の者、せいぜい周囲の、自分に利益を齎(もた)らすような具合いのよい二、三の人を愛しているだけじゃないか。 もっと言おうか。 君は泣きべそを掻(か)くぜ。 「汝ら、見られんために己(おの)が義を人の前にて行わぬように心せよ。」 __ Link __ どうですか。 よく考えてもらいたい。 出来ますか。 せめて誠実な人間でだけありたい等と、それが最低のつつましい、あきらめ切った願いのように安易に言っている恐ろしい女流作家なんかもあったようですが、何が「せめて」だ。 それこそ大天才でなければ到達出来ないほどの至難の事業じゃないか。 __ Link __ 自分はどうしても誠実な人間にはなり切れなかったから、せめて罪滅しに一生、小説を書いて行きます、とでも言うのなら、まだしも素直だ。 作家は、例外なしに実にくだらない人間なのだと自分は思っています。 __ Link __ 聖者の顔を装いたがっている作家も、自分と同輩の五十を過ぎた者の中にいるようだが、馬鹿な奴だ。 酒を呑まないというだけの話だ。 「なんじら祈るとき、偽善者の如くあらざれ。 彼らは人に顕(あらわ)さんとて、会堂や大路の角(かど)に立ちて祈ることを好む。」 __ Link __ ちゃんと指摘されています。
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