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1001.
笹鳴(ささなき)に逢ひたき人のあるにはある
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1002.
冬日(ふゆび)凍(い)つ紅きゑのぐは血の匂ひ
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1003.
漣(さざなみ)のひかり凍(い)てつつ鳰(にお)棲めり
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1004.
咲かぬ蕾(つ)の冬ばら挿して亡母(ぼうふ)恋ひ
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1005.
初氷(はつごおり)夜も青空の衰へず
（ 岡本眸 ）
（ Okamoto Hitomi ）
1006.
寒林を来てかなしみのいつかなし
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1007.
心中に火の玉を抱き悴(かじか)めり
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1008.
いのち子に分(わか)たん祷(いの)り冬山に
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1009.
冬山の陽にあり涙あふれ来る
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1010.
さみしさのいま声出さば鴨(かも)のこゑ
（ 岡本眸 ）
（ Okamoto Hitomi ）
1011.
寒林(かんりん)に在り寒木(かんぼく)の如く佇(た)ち
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1012.
白骨の手足が戦(そよ)ぐ落葉季(らくようき)
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1013.
冬日向(ひなた)小石裏返してやりぬ
（ 岡本久一 ）
（ Okamoto Hisaichi ）
1014.
鴛鴦(おし)二つ夜々(よよ)蒼空(あおぞら)をゆめみけり
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
1015.
ぐい呑は不揃ひがよし年忘れ
（ 五十崎朗 ）
（ Ikazaki Rou ）
1016.
なんとなく来てほしさうな妻の咳
（ 五十崎朗 ）
（ Ikazaki Rou ）
1017.
吾子(あこ)とゐて吾子(あこ)をわするゝ日向ぼこ
（ 五十崎古郷 ）
（ Ikazaki Kokyou ）
1018.
戴(いただ)いてその日咲ききる冬の薔薇
（ 池田澄子 ）
（ Ikeda Sumiko ）
1019.
クリスマスローズそんなに俯(うつむ)くな
（ 後藤比奈夫 ）
（ Gotou Hinao ）
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