人を賢明にするには、
身の回りに常に敵を持つのが一番だ。 ジョージ・サヴィル
[初代ハリファックス公爵] (17世紀イギリスの政治家、1633〜1695) みなさんは、身の回りに「敵」はいますか?
「身の回り、敵だらけだよ」という方、「数人いる」「一人だけいる」という方、さまざまだと思います。 しかし、「敵なんてまったくいない。 みんないい人ばかりだ」という方、いったいどれくらいいるでしょう? 少なくとも人間関係がギスギスしている最近では、ごく少数派ではないでしょうか? 特に都会では。 。。 ■残念ながら、「敵が本当にいない」ということは、まずありえません。 人は知らず知らずのうちに、「敵」を作ってしまうこともあるからです。 「敵」なのに「敵」と認識してない場合が、実に多いのです。 ■もし、「本当に敵がいない人」がいたとしたら、それこそ「聖人君主」のような人なのかもしれません。 しかし、あのキリストでさえ、「敵」がいて、十字架にかけられたことを思い出してみると、それも違っていることが分かります。 「聖人」であっても、「敵」は存在するのです。 むしろ「聖人」だからこそ「敵」が生まれると言えるでしょう。 つまり、「敵」がいるかかどうかは、本人の人格・性格とは無関係なのです。 自分の事を敵だと思う人がいれば、その人はれっきとした「敵」なのです。 ■たとえ性格が良くても、それをうっとうしく思う「敵」はできるし、性格が悪ければなおさら「敵」はできます。 また、能力があればそれをねたむ「敵」ができるし、能力が無ければその人を邪魔だとみなす「敵」ができます。 お金があればそれをねたむ「敵」ができるし、お金が無ければそれを見下す「敵」ができます。 ■このように、みなさんの周りには敵がいっぱいいるのです。 「いない」と思うのは、ただ気づいていないだけなのです。 もし、身の回りにいる「敵」に気づかなければ、思わぬところで足をすくわれかねません。 「味方」だと思って信じていた人が実は「隠れた敵」だったとしたら、それこそ大変なことになります。 だから、「敵」の存在に気づく能力、「敵」と「味方」を見分ける能力が大切になってくるのです。 ■「人を見たら敵と思え」と言うのか? といぶかる方もいるでしょう。 いくら疑い深い私でも、そこまでは申しませんが、常に注意を怠るなということです。 人は人生において、必ず一度や二度は、その後の人生を決めるような分岐点にさしかかります。 その時、相談する相手や頼る相手が、「本当の味方」なのか「本当の敵」なのかで、人生は大きく変わってしまいます。 その時のために、常日頃から心の中で「敵」か「味方」か、そのどちらでもないのかを選別していくのです。 たいていは、無意識で行っていることですが、それを意識的に行うことで、より精度が高まるはずです。 ■ところで、「敵がいる」ということは、果たして悪いことなのでしょうか? 私はそうは思いません。 なお、ここでは、「敵がいる」とは、実際に敵がいるかどうかではなく、「敵がいると認識している状態」として話を進めます。 ■「敵がいる」大きなメリットは、常に緊張状態に置かれるので、行動が賢明になる、つまり行動が慎重になるということです。 気持ちが緩んで軽率な行動をとれば、自分の立場を弱くすることにつながります。 「敵」に対して、格好の攻撃の口実を与えてしまうからです。 「敵がいる」ことで、賢明な行動をとるようになれば、少なくとも大きなミスを防ぐことができます。 ■また、「敵がいる」ことには、別の大きなメリットがあります。 それは、「競争心」「向上心」が生まれることです。 「敵がいる」と、現状維持ではとても不安になります。 敵が今より強くなれば、自分が負けてしまうからです。 自分を守るためには、常に努力して、能力を向上させる必要があります。 一方「敵がいない」と、人はすっかり安心してしまって、だらけて、努力しなくなります。 「敵がいない」ことは、「怠惰」につながるのです。 ■心安らかに暮らしたいという方は、「自分は敵などいらないし、欲しくもない」と思うでしょう。 「敵が全くいない世界(生活)」、まさにそれは、人間の「理想的な世界(生活)」かもしれません。 多くの人が願ってやまない「ユートピア(理想郷)」だとも言えるでしょう。 ■しかし、好むと好まざると、人は「敵」と「味方」と「中間」に別れてしまうものなのです。 それならば、いっそのこと、「自分を賢明にする手段」「自分を向上させる手段」として、「敵」を大いに利用した方が賢いではないでしょうか? それに、よく考えてみると、自分を賢明にしたり、能力を向上させてくれる「敵」ならば、結果的には「かけがえの無い大切な味方」だと見なすことだってできるのです。
(七瀬音弥:ななせおとや)
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