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[ 名言 ]
日記は紛れもなく、
わが生の時の時、
かけがけのない細部の、
膨大なモンタージュだった。
にも拘(かかわ)らず、
しばらくして読み返すと、
それが誰かほかのひとの日記のように思えることがあった。
あるいは、幸福で満ち足りた男を主人公とした、
退屈な長編小説の断片のようにも。

[ 出典 ]
四元康祐[よつもと・やすひろ]
(詩人、小説家、1959〜)
『四元康祐詩集』

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小説

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〈全文〉
日記は紛れもなく、
わが生の時の時、
かけがけのない細部の、
膨大なモンタージュだった。
にも拘(かかわ)らず、
しばらくして読み返すと、
それが誰かほかのひとの日記のように思えることがあった。
あるいは、幸福で満ち足りた男を主人公とした、
退屈な長編小説の断片のようにも。
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微にいり細にわたって書きつけた言葉の向こうで、
常に一歩先をゆく現実が、
あかんべえをしている……。
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