名言ナビ・テーマ【俳句名句（名言的俳句）】　No.3101～3200

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3101.

吹き抜ける風の自在に海の家

（船坂ちか子）

3102.

ふるさとの座敷広びろ咳ひとつ

（森羽久衣）

3103.

ゆくゆくはわが名も消えて春の暮

（藤田湘子）

3104.

花冷のなにゆゑとなき昼の酒

（藤田湘子）

3105.

仰ぎけり君を加へし冬銀河

（深見けん二）

3106.

八十の思いを余花と云い得るや

（橋閒石）

3107.

毛糸玉或る時いのちふっと無し

（池田澄子）

3108.

桜の下散るか散るまで待てません

（池田澄子）

3109.

未だ逢わざるわが鷹の余命かな

（池田澄子）

3110.

月おぼろ実は…のあとが聞きとれぬ

（池田澄子）

3111.

天高し歩くと道が伸びるなり

（池田澄子）

3112.

定位置に夫と茶筒と守宮(やもり)かな

（池田澄子）

3113.

屠蘇散(とそさん)や夫は他人なので好き

（池田澄子）

3114.

育たなくなれば大人ぞ春のくれ

（池田澄子）

3115.

しぐるるや夢みるための眠りさえ

（橋閒石）

3116.

焼諸子(やきもろこ)ことに頭の香ばしき

（長谷川櫂）

3117.

戴(いただ)いてその日咲ききる冬の薔薇

（池田澄子）

3118.

梅咲くや酒屋へ一里黄泉へ二里

（穴井太）

3119.

春なれや名もなき山の薄霞(うすがすみ)

（松尾芭蕉）

3120.

夕空の雲のお化けへはないちもんめ

（穴井太）

3121.

還らざる者らあつまり夕空焚く

（穴井太）

3122.

日常の有限性のなかに無限性が見える。

（穴井太）

3123.

日常にどっぷりつかっていて、
ある時ある時に日常を超える一瞬を言い止めよう、その言い止め得た姿こそ、
私にとって真の現実たりうるのである。

（穴井太）

3124.

飯うつすにほひに秋を好みけり

（岸田劉生）

3125.

母の日に母に手品を見せにけり

（大串若竹）

3126.

とびそめし蝶に雨だれなほしげ

（大橋櫻坡子［桜披子］）

3127.

うつくしきものはみな夢秋の聲(こえ)

（高岡智照）

3128.

冬蜘蛛(ふゆぐも)が糸にからまる受難かな

（小林凛）

3129.

おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒

（江國滋）

3130.

梅漬けて母より淡き塩加減

（美濃部治子）

3131.

冷奴酒系正しく享け継げり

（穴井太）

3132.

秋風や酒で殺める腹の虫

（穴井太）

3133.

三月の風人買いのやさしさで

（穴井太）

3134.

風鈴の百の音色の一つ選(よ)る

（大串若竹）

3135.

春風といふやはらかな布に触れ

（河内静魚）

3136.

生きがひを問はれてさてと懐手(ふところで)

（荻原正三）

3137.

父の日に父らしきこと言ひにけり

（荻原正三）

3138.

古庭を魔になかへしそ蟇(ひきがえる)

（高浜虚子）

3139.

ちれちれと鳴きつつ線香花火散る

（三井葉子）

3140.

ひとり焚くねずみ花火よ吾(あ)も舞はむ

（三井葉子）

3141.

花火尽き背後に戻る背後霊

（加藤静夫）

3142.

足のうら足をはなれてはるのくれ

（武田肇）

3143.

夕立に濡れ残りたる泉かな

（武田肇）

3144.

美しきもののみ見せて花篝(はなかがり)

（荻原正三）

3145.

群集の顎(あご)吊り上げし花火かな

（仲畑貴志）

3146.

音もなし松の梢(こずえ)の遠花火

（正岡子規）

3147.

遠花火開いて消えし元の闇

（寺田寅彦）

3148.

爽やかに表舞台を去りにけり

（加藤静夫）

3149.

もう少し涼しく話し合へないか

（加藤静夫）

3150.

冬たんぽぽ本気になればすごい我

（加藤静夫）

3151.

出生率下げしは私ひなたぼこ

（加藤静夫）

3152.

午睡(ごすい)する足のやりばのさだまらぬ

（土師清二）

3153.

笑はせて淋しき桜月夜かな

（加藤静夫）

3154.

ものの芽の一つ一つは傾ける

（深見けん二）

3155.

夏嵐(あおあらし)机上の白紙飛び尽(つく)す

（正岡子規）

3156.

朝露に手をさしのべて何か摘む

（大串章）

3157.

ひろびろと夜空を載せる氷かな

（河内静魚）

3158.

秋空の削りたくなるブルーかな

（河内静魚）

3159.

昼過ぎてがくんと秋の午後になる

（河内静魚）

3160.

人だけが鏡を愛し秋の風

（河内静魚）

3161.

殺されるまへに死にたしさるすべり

（加藤静夫）

3162.

神々の心づくしの雪の山

（ 9代目松本幸四郎）

3163.

咲き満ちてこぼるる花もなかりけり

（高浜虚子）

3164.

舞に生く露のはかなさ知りながら

（武原はん女［武原はん］）

3165.

打ちあげて笑顔のならぶ初芝居

（ 9代目松本幸四郎）

3166.

雪の日や雪のせりふを口ずさむ

（初代中村吉右衛門）

3167.

思うことなし山住みの炬燵(こたつ)かな

（石川啄木）

3168.

空に伸ぶ花火の途(みち)の曲りつゝ

（高浜虚子）

3169.

咳こんでいいたいことのあふれけり

（成田三樹夫）

3170.

真つ直ぐに闇を上(のぼ)つてゆく花火

（岸田祐子）

3171.

師の影をしっかり踏んで春の雪

（鈴木みのり）

3172.

ゆつくりと国滅ぶ酒あたためむ

（加藤静夫）

3173.

行列を乱すことなきマスクの民

（加藤静夫）

3174.

線引けば敵と味方や秋の暮

（加藤静夫）

3175.

男たり氷とみれば必ず割る

（加藤静夫）

3176.

我為(わがため)の五月晴とぞなりにける

（徳川慶喜）

3177.

冬一日火に親しみて暮れにけり

（石川啄木）

3178.

木の実ふみ地のさびしさを蹠(あうら)にす

（那須乙郎）

3179.

わからぬ句　好きなわかる句　ももすもも

（富安風生）

3180.

芽ぐむなる大樹の幹に耳を寄せ

（高浜虚子）

3181.

たまるに任せ落つるに任す屋根落葉

（高浜虚子）

3182.

徐々と掃く落葉帚(ほうき)に従へる

（高浜虚子）

3183.

目覚よしテラスに蟹の訪ねきて

（那須乙郎）

3184.

十六夜や恋のごとくに妻連れて

（那須乙郎）

3185.

生かされてまだ巡りあふ大文字

（那須乙郎）

3186.

牡丹(ぼたん)の句百句作れば死ぬもよし

（原石鼎）

3187.

われに来る落葉と見えて遠く去る

（那須乙郎）

3188.

山笑ふみづうみ笑ひ返しけり

（大串章）

3189.

母の日を映画に泣いて妻かへる

（那須乙郎）

3190.

ほのかなるもの身をめぐる屠蘇の酔

（那須乙郎）

3191.

白酒(しろざけ)の紐の如くにつがれけり

（高浜虚子）

3192.

夜桜の大きな繭の中にゐる

（行方克巳）

3193.

子猫すでに愛憎わかつ爪を立て

（行方克巳）

3194.

五十年の夢とりどりの落ち葉かな

（高岡智照）

3195.

炎天の一樹一影地にきざむ

（那須乙郎）

3196.

一落花風をつかまへ舞ひ上がる

（河内静魚）

3197.

老僧の骨刺しに来る藪蚊(やぶか)かな

（高浜虚子）

3198.

天よりもかがやくものは蝶の翅(はね)

（山口誓子）

3199.

光ぎっしり蝶老ゆることありや

（山口誓子）

3200.

全長のさだまりて蛇すすむなり

（山口誓子）

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