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201.
煩悩は、
かくあるだろうという疑惧(ぎく)について起る。
現前の事実には「煩悩する」いとまはない。
(
山本周五郎
)
(
Yamamoto Shuugorou
)
202.
生物はすべて死ぬまでは生きるのである、
死が否定しがたいものであるなら、
生もまた否定することはできない、
死が必ず現前するものだとすれば
寧(むし)ろ生きてあることを肯定し、
そのまさしい意義を把握すべきが先だ。
……
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(
山本周五郎
)
(
Yamamoto Shuugorou
)
203.
人も世間も簡単ではない、
善意と悪意、潔癖と汚濁、
勇気と臆病、貞節と不貞、
その他もろもろの相反するものの総合が
人間の実態なんだ、
世の中は
そういう人間の離合相剋(そうこく)によって
動いてゆくのだし、
眼の前にある状態だけで
善悪の判断はできない。
(
山本周五郎
)
(
Yamamoto Shuugorou
)
204.
手仕事をする者はいつも
眼の前にある物について心を砕いている。
……
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(
小林秀雄
)
(
Kobayashi Hideo
)
205.
古典とは、僕等にとって
嘗(かつ)てあった作品ではない、
僕等に或(あ)る規範的な性質を提供している
現に眼の前にある作品である。
……
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(
小林秀雄
)
(
Kobayashi Hideo
)
206.
交際が親密になれば、その中で
名前は生き生きとして来る。
名前を呼んだだけで、
その人が眼前に髣髴(ほうふつ)として来る。
何故(なぜ)か。
答えられるなら答えてみるがいいのである。
……
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(
小林秀雄
)
(
Kobayashi Hideo
)
207.
学校の再建はまず紙屑を拾うことから。
次にはクツ箱のクツのかかとが揃(そろ)うように。
真の教育は、
こうした眼前の瑣事(さじ)からスタートすることを知らねば、
一校主宰者たるの資格なし。
(
森信三
)
(
Mori Shinzou
)
208.
リアルという語を「現実そっくり」という意味で使っている人がある。
文学を語る上でこれは誤りだ。
リアルとは、
未知なる他者が不意に眼前に現れた時の驚愕(きょうがく)、
予期せぬ踏み外し、
自己の実存が外部から突如脅かされる刹那(せつな)の崩落恐怖
を意味する。
……
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(
諏訪哲史
)
(
Suwa Tetsushi
)
209.
同志的結合とは、
自分の同志が目の前で死んでも、
その死骸に縋(すが)って泣くことではなく、
彼は自分の知らない他人であると、
法廷でさえ証言できることでなければならない。
(
三島由紀夫
)
(
Mishima Yukio
)
210.
これからの人間の条件は、
一つはアリであること。
アリのように黙々と勤勉に働く。
これはいつの時代でも必要ですね。
二つ目にトンボであること。
ただ目の前の仕事の鬼だけでなく、
仕事とその周辺をいろいろな角度で見られる
複眼をもたなくてはいけない。
そして第三に、しかもなお人間である。
人間としてのあたたかさと優しさをもたなくてはいけない。
……
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(
城山三郎
)
(
Shiroyama Saburou
)
211.
なぜいつも遠くへばかりいこうとするのか?
見よ、よきものは身近にあるのを。
ただ幸福のつかみかたを学べばよいのだ。
幸福はいつも目の前にあるのだ。
(
ゲーテ
)
(
Goethe
)
212.
幾何学の精神と繊細の精神の違い──幾何学の精神はその諸原理は明らかであるが、一般への応用にはなじまない。
繊細の精神は(その諸原理は明らかではないが)、その原理が一般への応用がきき、すべての人の眼前にある。
(
ブレーズ・パスカル
)
(
Blaise Pascal
)
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