〈全文〉
「はた」の人を「楽」にするから「はたらく」（働く）とよく言われる。
この場合の「楽」とは、「負担が少ない」という意味で通常使われる。
だが、人様ばかり「楽」になって、自分はちっとも「楽」にならないのが現実である。
それでは、滅私奉公と同じで、自分が楽しくないではないか。
私は、「楽」の別の意味に注目したい。
「心身が安らかでたのしいこと」。
つまり、「はた」の人を「楽」な気持ち（＝楽しい気持ち）にするから、「はたらく」（働く）なのである。
相手の笑顔がエネルギーになるし、自分も「楽」な気持ちになる。
どうせなら、こっちの「はたらく」がいい。