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人はつまずいた数だけ優しくなれる。
福田純子[ふくだ・じゅんこ]
(エッセイスト、フリーアナウンサー) 著書『人はつまずいた数だけ優しくなれる』のタイトル 似た言葉に、「人はつまずいた数だけ強くなれる」という言葉があります。
冷たいことを言うようですが、人は何度つまずこうが、そこから学ばない限り、強くなることはできません。 より正確にいえば、つまずき続けることによって、打たれ強くはなります。 つまり、つまずくのに慣れてしまうのです。 しかしそれは、本当の意味で「強くなる」ことではありません。 そもそも、つまずくこと自体、「弱い」ということなのですから。 ■つまずくことに慣れてしまった人は、次第にその苦しみが一種の快感に変わっていきます。 「つまずきプレイ」と言っても過言ではありません。 そして、その「快感」を味わうために永久につまずき続けるのです。 つまずくことを肯定するのは、実に危ない兆候です。 注意しましょう。 ■では、「人はつまずいた数だけ優しくなれる」のでしょうか? 確かに優しくなれます。 つまずいて、自分自身が悩み苦しむことによって、他人の痛みや苦しみが分かるようになるからです。 優しくなること、それ自体は決して悪いことではありません。 職場の人を見渡してみましょう。 つまずいた回数が多いような人ほど、優しいはずです。 いわゆる「いい人」達です。 付き合っても不愉快になることは少ないので、「そこそこの友人」にはまさにぴったりです。 ■「そこそこの友人にぴったり」と表現したのには理由があります。 「いい人」というのは、自分自身の能力の向上にはそれほど役に立たないからです。 人はぬるま湯に使っている限り向上しません。 熱すぎる湯や冷たい水にさらされてこそ、その悔しさをバネにして能力を伸ばすからです。 どうせ友人を持つなら、嫉妬を感じるような人を友人にすべきなのです。 そうすれば、ライバル心を刺激されて、追いつき追い越すように一生懸命努力するはずです。 ■残念ながら、「いい人」は「優しすぎて」ライバル心を持たせてくれません。 能力を伸ばす成長エネルギーを与えてくれないのです。 それどころか、「まったりエネルギー」を常時放出するので、長時間浴びると自分まで「まったり」してしまいます。 非常に危険な存在でもあるのです。 その代わり、万一つまずいて、身も心もぼろぼろに傷ついたときには、最大の慰めになります。 そういう意味で、「緊急避難先の友人」としては、まさにうってつけなのです。 ■人はつまずいた数だけ優しくなれるでしょう。 しかし、どんなに冷たい人だって、何度かつまずけば優しくなるものです。 「角が取れて丸くなる」とはそういうことです。 無理に優しくなろうとしなくても、人は生きて行く過程で「つまずき」を経験して、次第に優しくなっていくものなのです。 だから、「人はつまずいた数だけ優しくなれる」という当然の事実を、わざわざ持ち出す必要などことさらないのです。 ■確かに、つまずきは人に「優しさ」をもたらすかもしれません。 しかし、人の心を暗黒の方向に導くことだって多いのです。 人はつまずきたくなくても、つまずいてしまうものです。 だから、つまずかないに越したことはないのです。 人はつまずきを極力減らす方向に努力しなければ、いくらでもつまずき続けてしまいます。 それは、「優しさ」を手に入れたとしても、「不幸なこと」ではないでしょうか? ■「つまずいた数だけ優しくなれる」というのは、所詮、つまずいた人への慰めの言葉に過ぎません。 それに甘えて、「つまずくこと」を肯定してはいけません。 つまずくことが無いように、死ぬ気で努力することのほうが大切なのです。 ■「人はつまずいた数だけ優しくなれる」という言葉は、能力勝負では負けたのだから、人間的優しさで勝負しなさいという言われているような気がします。 まるで、「人生終わった人」であるかのような言われようです。 まだまだ、頑張れるエネルギーを残していると思っている人にとっては、不満を感じるのではないでしょうか? ■また、つまずきによって得た「優しさ」は、「傷のなめ合い」的な要素をかなり含んでいます。 「後ろ向きな優しさ」であり、あまり「健全な優しさ」とは言えません。 ■一番好ましいのは「つまずかずに優しくなること」ではないでしょうか? 人はつまずかなくても優しくなれます。 そもそも、つまずかなければ優しくなれないことの方が問題なのです。 優しくなれるかどうかは、全て本人の心がけ次第です。 「傷をなめ合う優しさ」より、「互いを励まし合う優しさ」「互いを高め合う優しさ」、そんな「前向きの優しさ」を持ちたいと思いませんか?
(七瀬音弥:ななせおとや)
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