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我(われ)事において後悔をせず。
(ver.0) 宮本武蔵[みやもと・むさし]
(江戸時代初期の剣豪、1584頃〜1645) 『独行道』 (ver.1)
我事において後悔せず。 (ver.2) われ事において後悔せず。 自分自身の決断や行動について決して後悔せず、受け入れるということ。
(解説)標題の言葉は、宮本武蔵が「自分は未だかつて後悔などしたことがない」と自負していると理解する人が非常に多い。
だがそれは大きな勘違いである。 吉川英治は標題の言葉について、『われ以外みなわが師』の中で次のように述べている。 「彼がいかにかつては悔い、また悔いては日々を重ねて来たかを、ことばの裏に語っている」。 つまり標題の言葉は、「自分はこれまで後悔して悩み苦しむことが多かったが、今後は決して後悔せずありのままに受け入れよう」という自己反省と戒めの言葉なのである。 なお、それは『独行道』全体を通じて言えることである。 本来『独行道』とは、その名が示すように、宮本武蔵が自分自身の座右の戒め(自分の行くべき道)として書いたものだからだ。 〈ver.1全文〉
一、世々の道に背そむくことなし。 二、万(よろ)ず依怙(えこ)の心なし。 三、身に楽をたくまず。 四、一生の間欲心なし。 五、我事に於(おい)て後悔せず。 六、善悪につき他を妬(ねた)まず。 七、何の道にも別を悲まず。 八、自他ともに恨(うら)みかこつ心なし。 九、恋慕の思なし。 十、物事に数奇好みなし。 十一、居宅に望なし。 十二、身一つに美食を好まず。 十三、旧き道具を所持せず。 十四、我身にとり物を忌むことなし。 十五、兵具は格別、余の道具たしなまず。 十六、道にあたって死を厭わず。 十七、老後財宝所領に心なし。 十八、神仏を尊み神仏を頼まず。 十九、心常に兵法の道を離れず。 失敗してもいつまで悔やんだりせず、失敗を素直に受け入れることは大切です。
次の段階に進む必要があるからです。 ここで注意しなければいけないのは、「後悔しない」は「反省しない」とは全く別のものだということです。 「後悔」が後ろ向きの姿勢であるのに対して、「反省」はそれを教訓として次回に生かすという前向きの姿勢です。 「後悔」はしなくていい。 しかし、「反省」は必ずしなければいけません。
(七瀬音弥:ななせおとや)
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ツキがないと嘆く主人公が、
ふっと思い返して気づくんだ。 自分を大事にしてくれる嫁さんがいて、 子どもがいて、 周りの人にも恵まれて、 しかも自分はやりたいことをやってる。 そんなオレのどこにツキがねぇんだ、と。
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