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雲の名言
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｜101−128｜
101.
村一つ影に入れたり秋の雲　
（ 市堀玉宗 ）
（ Ichibori Gyokushuu ）
102.
深山木(みやまぎ)に雲ゆく蝉の奏(しら)べかな
（ 飯田蛇笏 ）
（ Iida Dakotsu ）
103.
まんじゆさげ雲の間より日の柱
（ 大野林火 ）
（ Oono Rinka ）
104.
流さるることをしづかに秋の雲　
（ 河内静魚 ）
（ Kawauchi Shizuo ）
105.
昼寝覚(さめ)雲を眼に入れまた眠る
（ 大野林火 ）
（ Oono Rinka ）
106.
はなやぎて月の面(おもて)にかかる雲
（ 高浜虚子 ）
（ Takahama Kyoshi ）
107.
どこやらが冬どこやらが春の雲
（ 後藤比奈夫 ）
（ Gotou Hinao ）
108.
生きてゐたくもなければ、
死にたくもない。
この思ひが毎日毎夜、
わたくしの心の中に出没してゐる雲の影である。
わたくしの心は
暗くもならず明くもならず、
唯(ただ)しんみりと黄昏(たそが)れて行く雪の日の空に似てゐる。
（ 永井荷風 ）
（ Nagai Kafuu ）
109.
どうも群れて生活しておりますと、
やれ、あいつがどうしたとか、
こいつは卑怯だとか、
あの方は素晴らしいとか、
そんな噂話ばかりになりまして……
イヤですなぁ、
空や雲から眺めれば、
わたくしどもに
「あいつ」も「こいつ」もありませんよ。
（ 吉田篤弘 ）
（ Yoshida Atsuhiro ）
110.
初めて仰ぐ雲や山は、
これが最後の雲や山かと見える。
だがやっとそこまで来ても、
行く道はいよいよ遠く、
難儀は増す一方なのを見てとって、
人は身震いする。
（ アレキサンダー・ポープ ）
（ Alexander Pope ）
111.
雲の峰近づいて来てねずみ色
（ 杉原祐之 ）
112.
リリーフは放言ルーキー雲の峰
（ 三宅やよい ）
（ Miyake Yayoi ）
113.
古典を読んで理解するためには、
自分が「どこに」いてそれを読んでいるかを
明確にする必要がある。
さもなくば、
本自体も読者も、
時間から外れた雲のなかで暮らすことになるからだ。
（ イタロ・カルヴィーノ ）
（ Italo Calvino ）
114.
青山元不動、白雲自去来
［青山(せいざん)元(もと)不動、白雲(はくうん)自(おのずか)ら去来(きょらい)す］
※四字熟語「白雲去来」
（ 『禅林句集』 ）
115.
大衆というやつは、理想の旗をたかだかとかかげ、雲をつかむような話をする人間のあとにはくっついていくが、分別くさい顔をして、石橋をたたいてわたるような話ばかりする人間には、さっぱり、魅力を感じないものなのである。
（ 花田清輝 ）
（ Hanada Kiyoteru ）
116.
自己嫌悪の感情が高まってくるときの感じは、
真夏の暑苦しいときに暗雲がたれこめて、
むしむしとしてくるのに、
雷も鳴らず雨も降らないとき
の感じとよく似ている。
いらいらするし、重苦しい、
何ともたまらないものである。
（ 河合隼雄 ）
（ Kawai Hayao ）
117.
雨雲を角(つの)に去(い)なしぬ蝸牛(かたつむり)
（ 安斎桜かい子 ）
（ Anzai Oukaishi ）
118.
月朧(つきおぼろ)うすうすと色置きし雲
（ 稲畑汀子 ）
（ Inahata Teiko ）
119.
風は歌雲は友なる墓洗ふ
（ 岸本尚毅 ）
（ Kishimoto Naoki ）
120.
春の雲結びて解けて風のまま
（ 今橋眞理子 ）
（ Imahashi Mariko ）
121.
濁りなき白に力や雲の峰
（ 今橋眞理子 ）
（ Imahashi Mariko ）
122.
みるほどにちるけはしさや秋の雲
（ 飯田蛇笏 ）
（ Iida Dakotsu ）
123.
朝よりの夏雲に描く子の笑眉
（ 秋元不死男 ）
（ Akimoto Fujio ）
124.
生涯にいくたびか全天鰯雲
（ 森澄雄 ）
（ Mori Sumio ）
125.
もてあます時間崩るる雲の峰
（ 今井豊 ）
（ Imai Yutaka ）
126.
寒鯉(かんごい)を雲のごとくに食はず飼ふ
（ 森澄雄 ）
（ Mori Sumio ）
127.
雲の峰一人の家を一人発ち
（ 岡本眸 ）
（ Okamoto Hitomi ）
128.
大峯に立つ屈強の雲の峰
（ 茨木和生 ）
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