名言ナビ



[ 名言 ]
この世には、さまざまの不幸な人が、いや、不幸な人ばかり、と言っても過言ではないでしょうが、しかし、その人たちの不幸は、所謂(いわゆる)世間に対して堂々と抗議が出来、また「世間」もその人たちの抗議を容易に理解し同情します。

[ 出典 ]
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948)
『人間失格』

ページ内メニュー

[ 関連キーワード ]

[ テーマ別名言 ]

[ テーマ別今日の名言 ]

[ 全文・続き ]
〈全文〉
不幸。
この世には、さまざまの不幸な人が、いや、不幸な人ばかり、と言っても過言ではないでしょうが、しかし、その人たちの不幸は、所謂世間に対して堂々と抗議が出来、また「世間」もその人たちの抗議を容易に理解し同情します。

しかし、自分の不幸は、すべて自分の罪悪からなので、誰にも抗議の仕様が無いし、また口ごもりながら一言でも抗議めいた事を言いかけると、ヒラメならずとも世間の人たち全部、よくもまあそんな口がきけたものだと呆(あき)れかえるに違いないし、自分はいったい俗にいう「わがままもの」なのか、またはその反対に、気が弱すぎるのか、自分でもわけがわからないけれども、とにかく罪悪のかたまりらしいので、どこまでも自(おのずか)らどんどん不幸になるばかりで、防ぎ止める具体策など無いのです。


[ ランダム名言 ]
1.

2.

3.

4.


5.

6.

7.
( 3代目 尾上多賀之丞 )

8.

9.

10.

11.
( 清水次郎長 )

12.

13.

14.

15.

16.

17.
( モンゴルのことわざ )

18.
( 日本のことわざ )

19.

20.
( 漫画『CUFFS〜傷だらけの地図〜』 )