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[ 名言 ]
空言、歓ビヲ成サズ。
きれいな沈黙でつくられるきれいな余白を、いつも一人のじぶんのうちにたもつこと。

[ 出典 ]
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015)
「余白の時間」と題する文章

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〈抜粋文全文〉
天井が高いこと。
暗すぎず、また明るすぎないこと。
立ったままならば、よく使いこまれたカウンター、テーブルならば、磨きこんだ古い木のテーブルに、坐り心地のいい木の椅子があること。
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席はいっぱいだが、群れなしているものはいない。
誰も寛(くつろ)いでいるが、崩れていない。
声は聞こえても、話は聞こえない。
ためらわれるほど静かでなく、うんざりするほど騒がしくないこと。
つまらない表情をした淋しい男がいないこと。
けたたましく笑う女がいないこと。
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目をあげて、奥行きのかんじられる空間のあること。

そんなことは誰にもどうでもよいことかもしれないし、どうでもいいことであってすこしもかまわない。
けれども、そんなどうでもいいとおもえることを大事な約束のように、きみはじぶんにまもる。
そうして、暮れてゆく街の雑踏をとおりぬけて、角を曲がって、重いドアを引き、いっぱいにひろがる明るい孤独のなかにじぶんを置いて、気にいった位置をみつける。
キリッと透きとおった冷たい酒をまえにすると、やがてゆっくりとこころが澄んでくる。
ただそれだけのことだが、ただそれだけでいい。
こころというものをまだこの目でみたことはないが、それは目のまえのグラスのなかの透きとおった酒にきっと似ている、ときみはおもっている。

空言、歓ビヲ成サズ。
きれいな沈黙でつくられるきれいな余白を、いつも一人のじぶんのうちにたもつこと。
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