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[ 名言 ]
歩くことが、読むことなのだ。
街を歩く。
街を物語として読んでいる。
微笑一つ、みごとな短篇なのだ。

[ 出典 ]
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015)
詩文集『記憶のつくり方』
詩「少女と指」

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〈抜粋文全文〉
街を歩く。
街を歩きながら、物語のなかを歩いている。
街を歩いていると、いつとはなくそんな思いにさそわれる。
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歩くことが、読むことなのだ。
街を歩く。
街を物語として読んでいる。
微笑一つ、みごとな短篇なのだ。
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まだ言葉にならない声。
物語という古い言葉にはそんな意味がある。
街の物語を織りなしているのも、そうしたまだ言葉にならない声だろう。
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街を歩く。
街のもつまだ言葉にならない声の物語に、わたしはとらえられる。
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