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じぶんにひつようなだけの無駄を、じゅうぶんにつかえるようなじぶんの時間。
そうした時間を手にいれることのむずかしさ。

[ 出典 ]
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015)
『感受性の領分』

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〈全文〉
そこで何をし、何を話したかではなかったのだ。
何の話をし、何をしていたかといえば、わたしたちはきっとただ無駄をかさねていたというだけのことだったろう。
だが、肝心なのは、茶房へゆけば、じぶんの時間がいつでもそこにあると感じられたことだった。

じぶんにひつようなだけの無駄を、じゅうぶんにつかえるようなじぶんの時間。
そうした時間を手にいれることのむずかしさをよくよく思い知ったのは、大学を去って、茶房のある界隈をはなれてから後のことだった。
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茶房は、ながいあいだ店をまもった老主人が倒れたあと、店を閉じ、いまはなくなってしまったが、その路地の古いちいさな店の木の椅子のうえでもらった明るい透明な無償の時間の感覚は、いまでもあざやかにわたしのなかにのこっている。

いったいあれから、じぶんの時間といえるものを、無駄を怖れる気もちに追われて、どれほどみずからほろぼしてきただろうと、いまさらのようにかんがえる。
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無駄を怖れたら、たのしみはない。
無駄を怖れない一個のこころのあるところにしか、いま、ここが確かに感じられるような一人のじぶんの自由な時間なんて、ほんとうはないのだ。
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