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自作を説明するという事は、既に作者の敗北であると思っている。
不愉快千万の事である。

[ 出典 ]
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948)
『自作を語る』(『もの思う葦』に収載)

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〈全文〉
私は今日まで、自作に就(つ)いて語った事が一度も無い。
いやなのである。
読者が、読んでわからなかったら、それまでの話だ。
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創作集に序文を附ける事さえ、いやである。

自作を説明するという事は、既に作者の敗北であると思っている。
不愉快千万の事である。
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私がAと言う作品を創る。
読者が読む。
読者は、Aを面白くないという。
いやな作品だという。
それまでの話だ。
いや、面白い筈だが、という抗弁は成り立つわけは無い。
作者は、いよいよ惨めになるばかりである。
いやなら、よしな、である。
ずいぶん皆にわかってもらいたくて出来るだけ、ていねいに書いた筈である。
それでも、わからないならば、黙って引き下るばかりである。
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私の友人は、ほんの数えるくらいしか無い。
私は、その少数の友人にも、自作の註釈(ちゅうしゃく)をした事は無い。
発表しても、黙っている。
あそこの所には苦心をしました、など一度も言った事が無い。
興覚めなのである。
そんな、苦心談でもって人を圧倒して迄(まで)、お義理の喝采(かっさい)を得ようとは思わない。
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芸術は、そんなに、人に強いるものではないと思う。
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