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[ 名言 ]
作家の一人間としての苦悩が、幽(かす)かにでも感ぜられないような作品は、私にとってなんの興味もございません。

[ 出典 ]
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948)
『風の便り』
木戸一郎が井原退蔵にあてた手紙より

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〈全文〉
私は、農民の事を書いている「作家」に不満があるのです。
その作品の底に、作家の一人間としての愛情、苦悩が少しも感ぜられません。
作家の一人間としての苦悩が、幽(かす)かにでも感ぜられないような作品は、私にとってなんの興味もございません。


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