(人は)風景によって生かされているという歴史を残さないと、そういう残し方を考えていかないと、記録や映像だけでは体験というのは伝わっていかない。
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015) 日本記者クラブ「福島出身の詩人が語った3.11」(2014年2月19日)より 【 長田弘の名言 】
〈全文〉
自分の高校を出て福島を離れてから50 年ぐらいたって行った人間にとって、変わらないものというのは、本当に啄木の言ったとおりなんですね。 「ふるさとの山に向かいて言うことなし」、山は変わらない。 建物も木もみんな変わってしまったけれども、ああ、山は変わらないんだと。 昔の漢詩の時代から、山は自分のふるさとの象徴だと。 __ Link __ 日本の歌もそうですが、山と川で表現しているのは、変わらないものがそこにある、ということなんだということを本当に実感する。 名ゐ053022 そういう風景によって生かされているという歴史を残さないと、そういう残し方を考えていかないと、記録や映像だけでは体験というのは伝わっていかないというふうに思うんですね。 《関連》
経験を人の経験として語ろうとすると、覚えているか、覚えていないかということになる。 人の経験じゃなくて、(目に見える)風景の経験として残すことができないとだめなんですね。 (長田弘) 《関連》 風景と共存していくということを考える中で体験が受け継がれていかないといけないんじゃないかな。 (長田弘)
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