ひとが誤るのは、いつでも言葉を
過信してだ。きれいな言葉は嘘をつく。 この世を醜くするのは、不実な言葉だ。 長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015) 詩集『一日の終わりの詩集』 詩「魂は」 【 長田弘の名言 】
〈全文〉
悲しみは、言葉をうつくしくしない。 悲しいときは、黙って、悲しむ。 __ Link __ 言葉にならないものが、いつも胸にある。 嘆きが言葉に意味をもたらすことはない。 純粋さは言葉を信じがたいものにする。 激情はけっして言葉を正しくしない。 恨みつらみは言葉をだめにしてしまう。 __ Link __ ひとが誤るのは、いつでも言葉を 過信してだ。きれいな言葉は嘘をつく。 この世を醜くするのは、不実な言葉だ。 __ Link __ 誰でも、なんでもいうことができる。だから、 何をいいえるか、ではない。 何をいいえないか、だ。 __ Link __ 銘記する。── 言葉はただそれだけだと思う。 言葉にできない感情は、じっと抱いてゆく、 魂を温めるように。 その姿勢のままに、言葉をたもつ。 じぶんのうちに、じぶんの体温のように。 __ Link __ 一人の魂はどんな言葉でつくられているか?
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