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(フィクションにおける「私」だけでなく)私小説を書く場合でさえ、作者は、たいてい自身を「いい子」にして書いて在(あ)る。
「いい子」でない自叙伝的小説の主人公があったろうか。

[ 出典 ]
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948)
『春の盗賊』

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〈全文〉
(フィクションにおける「私」だけでなく)私小説を書く場合でさえ、作者は、たいてい自身を「いい子」にして書いて在る。
「いい子」でない自叙伝的小説の主人公があったろうか。
芥川龍之介も、そのような述懐を、何かの折に書き記して在ったように記憶する。
私は事実そのような疑問にひっかかり、「私」という主人公を、一ばん性(しょう)のわるい、悪魔的なものとして描出しようと試みた。
へんに「いい子」になって、人々の同情をひくよりは、かえって潔(いさぎ)よいことだと思っていた。
それが、いけなかったのである。
現世には、現世の限度というものが在るらしい。

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