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心の中に風景として記憶に残る故郷とは、じぶんがそのときそこで呼吸してそだった、いまは失われた時代の空気のことだ。

[ 出典 ]
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015)
『小道の収集』
章「もう一つの故郷」

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〈全文〉
故郷というのは、変わらない風景のことだろうか。
ほんとうは、変わってしまった時代のことなのではないか。
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心の中に風景として記憶に残る故郷とは、じぶんがそのときそこで呼吸してそだった、いまは失われた時代の空気のことだ。
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じぶんの生きた時代をひとはもう一つの故郷としてもっている。
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