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親切な人が来て、
「震災の体験をしゃべってください」
「たいへんでしたね。
 何かしゃべってください」
と言ってきたりしますが、
見ず知らずの人にしゃべっても、
心が治まるはずはないのです。
この人になら言えるという人にしゃべってこそ意味があるのであって、
そのところが不問にされている。

[ 出典 ]
河合隼雄[かわい・はやお]
(臨床心理学者、元文化庁長官、1928〜2007)
『「日本人」という病』

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〈抜粋文全文〉
震災などの不幸に遭遇した際の怒りや悲しみの感情というのは当然です。
いわば、変な異物が心の中に入ったようなものですから、
なんとかしてうまく心の中で消化していかなければならない。
そのために一番いいのは、
怒りや悲しみを出したとしても本当に分かってくれる人に向かって表現することです。
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これは、よく誤解されていて、
そういう悲しみや苦しみはどんどん外に出したらいい、
中に持ったままにしておくと傷が残るから出せばいい
と簡単に言われ過ぎて、
かえって被害を受けた方もいるかもしれません。

親切な人が来て、
「震災の体験をしゃべってください」
「たいへんでしたね。
 何かしゃべってください」
と言ってきたりしますが、
見ず知らずの人にしゃべっても、
心が治まるはずはないのです。
この人になら言えるという人にしゃべってこそ意味があるのであって、
そのところが不問にされていることが見受けられたので、
これは新聞にも書きました。
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人間関係があるところで表現するから
傷は治っていくわけです。
そこがすごく大事なところです。
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被災者の皆さんも、もちろん、これまで地震の話はずいぶんされたと思いますが、やはり相手を選んで話したと思います。

仲のいい人とか、
親類の人とか、
あるいは全然知らない人でも
同じ体験をした者同士だとか、
人間と人間の心の交流があるところで怒りや悲しみを出すから
意味があるのです。
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