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[ 名言 ]
じぶんの物語を探しつづける、それが物語なんだということです。

[ 出典 ]
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015)
『読書百遍』

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〈抜粋文全文〉
『はてしない物語』の場合。
バスチアンという少年は、雨の日に、本を読んでいます。
その本がじつ は「はてしない物語」という本で、夢中になって読み進むうちに、少年はその本の登場人物がほかでもなく少年自身であることに気がついて、ハッとします。
もう読むのはやめよう。
少年はそうおもうんですが、まさにそのとき、それまでけっして名を名のらなかった物語のなかの少年が、「すくなくともじぶんの名まえぐらい名のるものだ」とうながされて、こうこたえるのを聴いてしまいます。
「ぼく、バスチアンといいます」。

じぶんがじぶんの名でよばれる。
そのとき少年にとってほんとうに物語がはじまるので、そしてそれからは、物語の主人公となったそれまで何者でもなかった少年は、じぶんが何者であるかを知るために、じぶんの物語をのっぴきならず生きなくちゃならなくなります。

すなわち少年は、すでにはじまっている物語のなかで、じぶんでじぶんの物語を探しつづけなくちゃならない。
それは、べつのいいかたをすれば、じぶんの物語を探しつづける、それが物語なんだということです。


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