如何(いか)に小さな存在であっても、われらは疑うこともなきたしかな存在であるところに、一瞬の生命のいよいよ尊きことが知られる。
九条武子[くじょう・たけこ]
(教育者、京都女子学園・京都女子大学設立者、歌人、社会運動活動家、仏教婦人会創設者、1887〜1928) 自著『無憂華』 「久遠の瞬間」 【 九条武子の名言 】
※渺(びょう)=はてしなく広がっているさま
〈全文〉
悠久なる自然の生命に比較するとき、人間の歴史の如何(いか)に短く、また如何に果敢なきか。 しかもその短きページの、渺(びょう)たる粟粒に似た、われらは一(ひとつ)の存在に過ぎない。 しかし如何に小さな存在であっても、われらは疑うこともなきたしかな存在であるところに、一瞬の生命のいよいよ尊きことが知られる。 __ Link __ 永遠の生命の獲得を、この一瞬の間にのがしてはならない。 われらの歎(なげ)きは、短き命をもっていることにあるのではなく、瞬間の生命を、よく生かし得ないところに在(あ)る。 __ Link __
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