(怠けものを)海の動物にたとえれば、なまこであろうか。
なまこは、たまらない。 いやらしい。 ひとで、であろうか。 べっとり岩にへばりついて、ときどき、そろっと指を動かして、そうして、ひとでは何も考えていない。 太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948) 『懶惰の歌留多』 【 太宰治の名言 】
〈全文〉
怠けものは、陸の動物にたとえれば、まず、歳とった病犬であろう。 なりもふりもかまわず、四足をなげ出し、うす赤い腹をひくひく動かしながら、日向(ひなた)に一日じっとしている。 ひとがその傍を通っても、吠えるどころか、薄目をあけて、うっとり見送り、また眼をつぶる。 みっともないものである。 きたならしい。 海の動物にたとえれば、なまこであろうか。 なまこは、たまらない。 いやらしい。 ひとで、であろうか。 べっとり岩にへばりついて、ときどき、そろっと指を動かして、そうして、ひとでは何も考えていない。
1.
( 『淮南子』 )
2.
( ゲーテ )
3.
( 永六輔 )
4.
( アウレリウス )
5.
( 永六輔 )
6.
( ヘルマン・ヘッセ )
7.
( ロバート・J・バロー )
8.
( 広告コピー )
9.
( シェイクスピア )
10.
( ロマン・ロラン )
|